羽田より遠いけど成田が好き

航空関係の情報多めな20代のつぶやき

エバー航空 キティジェットのビジネスクラスに乗った 2016年

どうしてもエバー航空

コロナウイルス感染症により現在(2020年5月)は外出自粛・移動が大きく制限されており飛行機なんてなかなか乗れない。そんなことから過去のフライトをを振り返ってみる。

今回は福岡から台北までのエバー航空、2016年9月のフライト。福岡ー台北は非常に短い路線なのになぜかビジネスクラスに乗ったときの搭乗記。

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 私は航空会社に非常にこだわりを持っている。だからこそブログでこんなに航空ネタを書いている訳だが、そのこだわりはかなり特徴的で、言い方を変えれば癖が強い。

こだわりを持つ人の多くはマイルの関係でアライアンスと言われる各航空会社同士で作られた連合・同盟の枠内で乗ろうとする。例えば知っている人はANAマイレージを貯めているので移動は基本スターアライアンスユナイテッド航空アシアナ航空にしか乗らない。もちろん私もそれはあって、数年前まではユナイテッド航空マイラーだったのでスターアライアンス。最近はキャセイパシフィックのマルコポーロに乗り換えたのでワンワールドに絞っていて、JALなんかにも乗るようになった。

しかし私のこだわりはそれだけではない。

 

飛行機で移動する時に最も重要なことそれは安全である。

やはり空を飛ぶ訳なので安全が確保されている必要がある。飛行機事故には自動車事故に遭うよりも確率が低いとか言われるがそんな確率だけ聞いて「ああ安心」とはならない。自動車事故に遭うより確率が低くても遭うときは遭うのである。そんな数字だけで安心はできない。そんなに怖がって飛行機によく乗れるなと言われるが、やっぱ可能な限りリスクを避けたいと思うのは私だけではないはずである。

それもあって私は頭の中で乗っていい航空会社、グレーな航空会社、乗ってはいけない航空会社を分けている。それは主に過去の事故回数や近年の事故件数、安全への取り組み等々によって決めていて、頻繁に変動する。

例えば、乗っていい航空会社は

JAL ・ANA ・キャセイ ・エバー ・ユナイテッド ・デルタ ・アメリカン

・エアカナダ ・ブリティッシュ ・ルフトハンザ ・スイス など

グレーと乗ってはいけないは書かないが、その中に台湾の航空会社は確実に含まれている。台湾に行くとなるとその航空会社がよく出てくるのだが私はその航空会社を選ぶことができない。私の地元の空港というと名古屋空港なのだがそこでの事故というのもその要因の1つかもしれない。

とすると私が台湾に行くときは選べる航空会社が非常に限られてくる。所用で台湾に行くことが多くこの頃は年1~2で台湾に行っていた。台湾は距離的に近いこともありLCCもよく出てくるがそれもパス。とすると選べるのはJALANAエバー、デルタとなる。しかし日本への帰国時に関空に到着する必要があったことから成田・羽田しか飛んでいないANAとデルタはなし。セレクトはJALエバーに。当時はユナイテッド航空マイラーだったのでスターアライアンスエバー航空となった。

 

福岡空港の国際線は昔の名古屋空港を彷彿とさせた

当時、福岡に住んでいたわけでもなく航空運賃とか前の予定等で福岡から台北に入ることとなった。

私はこのとき初めて福岡空港に行ったが福岡空港の国際線は昔の名古屋空港国際線ターミナルを思い出させる。名古屋空港国際線ターミナルエアポートウォークというショッピングモールとなってしまったが、国際空港なのに非常にコンパクトな造りの空港であった。今の空港にあるような有名店が入居しているとかではなく、喫茶店・レストランが入居するのみの簡素なもの。私の子供の頃はセントレアなどなく飛行機といえば名古屋空港という地域に育ったので福岡空港はなんとなく懐かしかった。ただ福岡空港の方が明るかった。なぜか名古屋空港は非常に暗いイメージがあった。

 

今回はビジネスクラスである。

実は私も購入後、座席を指定するまでそれに気がつかなかった。福岡ー台北ー関西で検索し出てきた最も安い運賃をセレクトしただけである。どうもなんらかのプロモーションだったようで、行きのビジネスクラス、帰りはエコノミークラスであった。しかも行きはマイル加算される運賃だったが、帰りの台北ー関西はマイル加算されないタイプの運賃だった。

福岡空港にも一応ビジネスクラスのラウンジがある。

チェックイン時カウンターのスタッフは

「ラウンジとお食事券どちらにされますか?ラウンジ内は他の空港のように食事もありませんし混雑していますので・・・」

とお食事券を勧めてきた。確かにお食事券の方がいい。しかしお食事といってもおそらくこの空港のレストランだとそこまでのものは食べれないし、そもそも機内食もある。到着したら会食だし、福岡空港から国際線に乗るなんてもう無いだろうから記念にラウンジに入った方が面白そうだ。

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そして私はこのラウンジ券を手に入れた。

そしてラウンジに入って思った。

なんもねえ・・・カードラウンジレベル・・・

クレジットカードのゴールド会員以上に向けて各空港にはカードラウンジが設置されているがまさしくそのレベルであった。飲み物と簡単なお菓子しか置かれていないラウンジ内。しかも狭いので混んでいる。夏場にこういうラウンジに来ると決まってポロシャツに白色か薄い色のチノパンを履いた50代〜のこれからゴルフですか?と聞きたくなるようなおじさん集団が無料のビールをたらふく飲んでいる。そう、こういう人どこに行ってもいる。多いのはセントレア関空、成田。羽田は割と少なめ。私は勝手に「ラウンジゴルフおじさん」と呼んでいる。キティちゃんスリッパ族みたいな愛称である。

 

隣のおじさんはかなり挙動不審だった・・・

私の搭乗記はなかなか搭乗までたどり着かない。実際ここまでで2,000字以上書いている。そろそろ搭乗しよう。

搭乗するとソワソワした人が目立つ。普段からビジネスクラスに乗り慣れていないそんな感じの人々。おそらく今回のプロモーションで乗っている人々。後ろの若い女性もそのようでカバンを足元に置いていたのだが客室乗務員から上の荷物入れに入れて欲しい、私が入れてもいいかと聞かれて「え、え、え」と分かりやすく戸惑っていた。客室乗務員もどうしたらいいか分からない。片言の日本語で「チョットマッテクダサイ」と日本人乗務員を呼びに行こうとするので

「カバンを足元に置けないので上に入れてもいいかってことですよ」

と前の座席から通訳することに。そうするとお互い意思疎通ができたからかものすごく笑顔になっており、客室乗務員は私に

「謝謝」と・・・えっと私今英語から日本語に通訳したんですが・・・というのは置いておいて

 

隣におじさんがやってきた。あきらかにソワソワと挙動不審。明らかに初めてのビジネスクラス。乗って少しするとパーサーが挨拶と共にウェルカムドリンクを持ってきてくれた。パイナップルジュースかシャンパン。

しかし隣のおじさんは

「オレンジジュース!オレンジジュース!」

と大声で連呼。

またしても困った客室乗務員、少ししてその乗客にオレンジジュースを持ってきた。

「ああ、やばい奴が隣に来ちゃったよ・・・」

というのは私の心の声。

 

本当にこのおじさん興奮していたようで、離陸するとむやみやたらにリクライニングを動かしたり、テレビモニターを何度もいじったりとたった2時間程度のフライトでかなり満喫されたご様子。

オレンジジュース攻撃を浴びせた客室乗務員たちへの感謝の言葉は一つもなく、

「飯!風呂!寝る!」

という亭主関白のように客室乗務員に命令。ああ、こういうお客様は神様みたいな人はどこにでもいる。若者は集団心理でみんなと一緒だと大柄に、歳を取ると1人の方が横柄になれるようだ。

他のビジネスクラスでも「和食!和食!和食!」みたいな和食攻撃をするおじさんを見たことがあるが、もちろんこのおじさんも「洋食!洋食!洋食!」攻撃していた。

 

食事は鼎泰豊じゃなくて洋食を

福岡ー台北は本当に短時間。しかもこの日は台風が近づいていてベルト着用サインが消えるまでかなり時間がかかった。さらに短い中でフルサービスの機内食が提供される。

エバー航空機内食といえばニューヨークタイムズのベストレストランか何かを取った小籠包の名店「鼎泰豊」のメニューが有名。日本人乗客の多くがそれを注文していた。しかもデザートまでちゃんと鼎泰豊。

確かに機内で鼎泰豊というのは珍しさはあるがおそらく到着後すぐの会食は鼎泰豊。鼎泰豊自体高級レストランという訳ではないし、わざわざ飛行機で食べるか?というのが本音。ならば別メニューでとのことで洋食をセレクト。先述のように隣のおじさんも洋食でなんか被ったのが妙に嫌だった・・・

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前菜:鴨ロースト、カプレーゼ、キティちゃんチーズ

最初にテーブルクロスが用意され、その後プレートで前菜が運ばれてきた。

この便はハローキティジェットというハローキティがラッピングされた機体で運行され、航空券から機内、客室乗務員のエプロンに至るまで全てハローキティ。ご丁寧に食事のチーズまでハローキティ。この手のラッピングはJALでもディズニー、ANAポケモンスターウォーズとやっているがここまで徹底しているのはエバーくらいだろう。

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別に私はサンリオキャラクターが特別好きな訳ではないがこのチーズは最後まで食べれなかった。子供の頃、私はチーズが嫌いだったのでこの手のキャラクターチーズが弁当に入っていたことはなかったがそれでも金太郎飴的なカマボコが入っていることがあってなんとなくやっぱ食べれなかった小学校低学年の頃の淡い記憶を思い出した。同時に給食で出てきたライオンとか新幹線とかの形になったチーズを思い出した。小学校の頃はどの柄がいいとか皆で交換したものだが結局腹に入れば一緒。チーズが嫌いだったこともあって柄云々よりも面積的に一番小さいのはどれかと選んでいたことを思い出した。しかしそのチーズのライオンだのなんだのはビニールの型に注入されただけなのでリアリティも何もないがこのキティは無駄にリアルである。最後の最後に口の中に入れた。

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主菜:チキンのロースト、ポテトケーキ、野菜のロースト

ちなみにメニュー名は適当である。メニューは持ち帰れなかったというか回収されてしまったので写真から当てずっぽうであるがそう間違ってはいないと思う。

まあ普通の洋食なのだが後ろに写ったフレンチトーストのような物体。これポテトなのだがこれがおいしかった。ぶつぶつとした食感があるのだが、山芋焼きのように固めて焼いてある物体。

そして一番上に載せられたニンジン。それはハローキティのリボンの形になっている。これを見たとき、ここまでやるかと笑いそうになってしまった。子供ならば喜ぶだろうし、エコノミークラスなんかではプラスチックのフォークやスプーンもキティなのでそれを持ち帰る人もいると聞く。でもここはビジネスクラス。私はまだ当時20代半ばだったが、洋食を食べている隣のおじさんは推定50代。なんともミスマッチ。このニンジンはさすがに簡単に食べれたがエバー航空ハローキティ責め」には恐れ入った。

 

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デザート:ヨックモックのクッキー

ハローキティ責めも終わり、デザートに入った。決して自分で買うことはないけどもらうと嬉しいヨックモックのシガール。ただ特別なものでもなく普通にシガールだった。

 

そろそろ台湾桃園空港へ

食事も終わるともうそろそろ到着である。ここまで本当に激動の食事サービスであった。客室乗務員は疲れ果てていたであろう。しかしここで私は余計な注文をしてしまった。ワインも飲んだので到着前にすっきりしておきたいと思いジュースを注文した。そうしたらそのジュースはどうもビジネスクラスのギャレーにはなくエコノミークラスのギャレーに行かないとなかったようで客室乗務員は探し回り、大きなペットボトルを持ってビジネスクラスのギャレーに入っていき私の元に提供された。その時、あーしまったなと思ったのも後の祭り。結局オレンジジュース攻撃おじさんとそんな変わらないじゃないかと思ってしまった。

 

私がエバー航空に乗ったのはこの時が初めてで、その後何度も乗っている。エバー航空が好きな理由の一つに着陸時の音楽がある。台湾の昔の音楽か何かで、着陸態勢に入ったぐらいから音楽が流れ始める。そして途中、税関・検疫の案内を挟んで着陸するその時までずっと流れている。

この音楽が台湾の桃園空港到着の風景に非常にマッチしている。明らかに熱帯なんだなという雰囲気と共に日本のように米の田んぼが広がる中に着陸していく。これがすごく情緒的で台湾に来たことを感じさせる。

 

エバー航空、乗り継ぎでアジア・アメリカ・ヨーロッパに行け、尚且つ安い。しかしユナイテッド航空マイレージプラス会員にとってはエバー航空の格安運賃ではマイルがあまり加算されず、加算されるタイプとなるとかなり高額になるので最近はなかなか乗ることがない。しかも最近はワンワールドに鞍替えしたので台湾行きでもキャセイパシフィック航空一択。エバー航空のマイル会員にでもなってエバー航空で上級会員を目指そうとでもしない限り乗ることがなさそう。ただあの着陸時の情緒はエバー航空だけなのでまたいつか乗りたいと思っている。